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東京都新宿区 |
安田火災東郷青児美術館 |
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名称変更 損保ジャパン東郷青児美術館 |
1994年5月 |
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安田火災東郷青児美術館は、JR新宿駅の西口にある安田火災海上本社ビルの中にあります。このビルは43階建てのビルですが、新宿駅の西口からは直接見ることはできません。地下に降りて「新宿中央公園、超高層ビル街区方面」に向かって西に歩いて行くと「新宿センタービル前地上出口」の標識があります。この出口から地上にでると低層部が末広がりになった美しい安田火災海上本社ビルを見ることができます。手前のビルが新宿センタービルで左側が野村ビルです。玄関を入りエレベータで42階に行くと美術館の受付けに出ます。
この美術館は、安田火災海上保険株式会社が新宿新都心の超高層本社ビル建設を機会に美術館の開設を計画し、1976年6月に財団法人安田火災美術財団を設立して、同社の42階に開設されました。多分日本で一番高いフロアーにある美術館ではないかと思います。
安田火災のカレンダーなどを描くことにより生活費の援助を受けてきた東郷青児画伯は、社会公共のために広く一般に芸術鑑賞の場を提供し文化向上の一端に貢献したいという同社の美術館設立の願いに共鳴し、自作約200点と同画伯が収集した内外作家の作品約250点が寄贈され、1976年7月に東郷青児美術館として一般に公開されました。
その後グランドマア・モーゼス、ルノアール、藤田嗣治などの作品が追加され、1987年4月には、より広い美術館活動を目指して、館名が安田火災東郷青児美術館と改められ、ゴッホの「ひまわり」、ゴーギャンの「アリスカンの並木路,アルル」、セザンヌの「りんごとナプキン」の作品が追加されて行きました。
東郷青児は1897年(明治30年)4月28日に鹿児島で生まれました。1902年東京へ移り、1914年青山学院中学校を卒業しました。この頃、呉服橋に開店した「港屋」に出入りしているうちに、ここの女主人で竹久夢二の最初の妻であった他万喜(タマキ) に気に入られ、夢二の代わりに半襟の下絵や便箋の小間絵の写しをしていたということです。竹久夢二の絵から東郷青児の絵に至るまでの間に一貫した流れを感じるのはこのためであるのかもしれません。 1920年(大正9年)9月に永野明代(ハルヨ)と結婚し1921年11月に長男の志馬が生まれています。その年フランスに留学し、リヨン美術学校で学び、1928年に帰国しています。
1929年3月に、西崎みつ子(ミツコ) との心中未遂事件をおこしています。東郷青児の家の寝室でガスを放ち、頚動脈を切って情死を計ったのですが、使いに出ていた爺やの発見が早く未遂に終ったとのことです。この情死事件を知った宇野千代は、執筆中の小説の中で若い男女がガス自殺をする場面を描くために、まだ白い繃帯を首にまいていた東郷青児を訪問し、その晩から2人は一緒に暮らしはじめたとのことです。 東郷青児は仕事好きで、勤勉で、暇さえあればアトリエにこもっていたとのことです。宇野千代は、絵が何枚か出来上がると両手にぶらさげ、買ってくれそうな人々の間を売り歩いたという話が中公文庫出版の彼女の自叙伝「生きて行く私」の中に書かれています。
1933年に明代と協議離婚をし、翌年5月に心中未遂事件をおこした西崎みつ子と結婚をしています。そして、彼女は1939年4月に「たまみ」という女の子を生んでいます。東郷青児はこの「たまみ」を溺愛し、彼の女性に対する夢をこの「たまみ」に託したといわれています。
東郷青児は1979年4月25日に旅先の熊本で急性心不全のため亡くなっていますが、数多くの作品を残しています。東郷青児の描く妖精のような女性像には終始変わらず 子の面影があったともいわれています。その彼女は夫の死後1年して亡くなっています。
この美術館は東郷青児作品の常設展示を核とし、内外の近現代作家の作品が展示されています。また、芸術の振興や国際交流を目的に特別展も随時行なわれています。
常設展示の中で、フィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」が有名です。他の部屋より一段と照明を落とした一室に「ひまわり」があります。赤い点を持つ一輪が核となって豊かな花が広がっています。ゴッホは人生と生活に苦しみ1890年に37才で絶望の果て死を選んでいます。「ひまわり」の隣にゴーギャンの「アリスカンの並木路,アルル」が並んでいます。ゴッホはゴーギャンを敬愛していました。そのゴーギャンが1888年にゴッホの家で共同生活を送ることになりましたが、9週間後にゴーギャンとの間に不和が生じ、ゴッホは自分の耳を切り落とす事件を起こしています。この「ひまわり」はこの事件後に描かれたものです。
この他に、ポール・セザンヌの「りんごとナプキン」、ピエール=オーギュスト・ルノワールの「帽子の娘」などが展示されています。
また、注目すべきはグランドマア・モーゼスの作品です。彼女は75才で油絵をはじめ101才で亡くなるまでに1600枚に及ぶ作品を残しています。身の回りの風景やそこで働く人々が明るく楽しく描かれています。
展望回廊からは東京都心を見下ろすことができます。新宿駅や新宿御苑を真下に見ることができます。遠く房総半島までも眺められることがあるそうです。下界とは無縁のオアシスのような雰囲気を味わうことができます。
この美術館の近くには、東京都庁の超高層ビルやその西側には新宿中央公園があります。京王プラザホテルや三井ビルと住友ビルも近くにあります。三井ビルの地下の広場など気軽に食事ができます。安田火災海上本社ビルを北側に出ると新宿駅につながる陸橋が続いています。
新宿駅には小田急百貨店があります。また、新宿駅の東口から新宿通りを200mほど行くと右側に新宿三越南館、さらに少し行くと左側に伊勢丹があります。これらの百貨店の中にも美術館があります。時間があれば、展示内容を確認してから行かれるとよいと思います。
(新宿御苑) ぜひ行かれることをお薦めしたいのが新宿御苑です。地下鉄丸ノ内線の新宿御苑前で降りるとすぐ前ですが、新宿駅から歩いても新宿通りを東に行けば10分位で行けます。新宿中央公園に比べると明るく、落ち着いた、暖か味のある公園です。2人寄りそている姿もそこには、美しさがあります。周囲3.5km、18万坪近い敷地には、フランス式の整形庭園とイギリス式の風景庭園、それに日本庭園が巧みに組み合わされています。プラタナスの並木を両側に配した薔薇の花の美しいフランス庭園とこれに続く大芝生は、豊かな自然とふえあうことのできる緑のオアシスです。4時を過ぎると人々が動きはじめます。4時半には門が閉まってしまうからです。夕方になると人が集まってくる新宿中央公園との違いです。
日本庭園の藤棚は花が散ってしまっていましたが、緑が美しくなっていました。藤の花の香りの漂う山本丘人の「地上風韻」を思い出すことができます。 94.05.19
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所在地: 〒160-8338 東京都新宿区西新宿1−26−1 損保ジャパン本社ビル42階 Tel: 03-3349-3081 |
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損保ジャパン東郷青児美術館 公式HP
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