果実
<果実の構造>
果実は花の子房が熟して変化したもの。
果実の種子は3層の果皮(外果皮、中果皮、内果皮)に囲まれている。
果物の中には子房ではなく花托などが発達して食用部となる偽果もある。
<果実の形状>
(1)液果(えきか):中果皮が肉質あるいは液質になるもの。熟しても裂開しない。
@真正液果: カキ、ブドウなど。
A核果(かくか):外果皮が薄く、中果皮が厚くて水分を多量に含み、内果皮は堅い核となって種子を包む果実。 モモ、クルミなど。
B偽果(ぎか):花托が肉質になった果実。リンゴ、ナシ、イチゴ、イチジク、イヌビワ
(2)乾果(かんか):果皮が熟すると乾燥するもの。裂開するものとしないものがある。
・裂開果(れつかいか)
@豆果(とうか):豆のさや状:さやが2片に割れる。マメ科。
A袋果(たいか):一枚の袋状の心皮が縫合線で割れる。シキミ、アケビなど。
B刮ハ(さくか):2枚以上の心皮からなり、心皮の数だけの裂片に割れる。ツツジ、キリなど。
・不裂開果
C堅果(けんか):ドングリ形:果皮は硬く、熟しても裂けない。ブナ科、カバノキ科。
D翼果(よくか):堅果の一種で、翼のあるもの。カエデ科、ニレ科など。
E痩果(そうか):果皮はごく薄い膜質で種子に密着している。スズカケノキ科、ツクバ ネウツギなど。
(3)球果(きゅうか):マツやスギなどの裸子植物は心皮を持たないため、種子は裸出する。マツの実は種子。
<果実の色>
(1)赤〜黒赤色:カジノキ、ナンテン、ビナンカズラ、コブシ、モクレン、シロダンモ、ヤブサンザシ、アカメモチ、カマツカ、テリハノイバラ、ナナカマド、タラヨウ、モチノキ、ニシキギ、マサキ、マユミ、イイギリ、ナワシログミ、アオキ、サンシュユ、ヤブコウジ、センリョウ、マンリョウ、ガマズミ、サンゴジュ
(2)青黒〜紫黒色:クワ、クスノキ、ゲッケイジュ、タブノキ、ソメイヨシノ、ユズリハ、サカキ、ミズキ、ネズミモチ、ヒイラギ